「退職後の転職活動は不利って本当?」
「転職活動は退職前と退職後どっちがいいの?」
転職活動するにあたり、退職後にするべきか、退職前にするべきか悩む人もいるでしょう。
転職において、退職の前後で有利になるか不利になるかは気になるところですよね。
本記事では、退職後の転職活動について、以下の点を中心に解説いたします。
- 退職後に転職活動をはじめるデメリット
- 退職後に転職活動をはじめるメリット
- 退職後の転職活動は面接で悪印象になるか
- 転職活動で納得してもらいやすい離職期間の理由
転職活動は退職後がよいか退職前がよいか、それぞれのメリットやデメリットを紹介いたします。
転職活動する時期にお悩みの方は、判断する参考にしてください。
退職後に転職活動をはじめるデメリット
転職活動を退職の前にするか後にするかで採否に影響を及ぼすことはありません。
しかし、どちらを選択するにおいてもメリットとデメリットは存在します。
そのため、メリット、デメリットの両方を比較したうえで、自分に合った転職活動時期を選ぶことが大切です。
まずは、デメリットから紹介いたします。
退職後に転職活動をはじめるデメリットは、以下の2つがあげられます。
- 早く転職先を見つけなきゃいけないと焦り失敗しやすい
- 履歴書でブランク期間ができてしまう
それぞれ解説いたします。
早く転職先を見つけなきゃいけないと焦り失敗しやすい
退職後は、安定した収入がなくなります。
人には、報酬よりも損失のほうを大きく評する「損失回避バイアス」という心理的傾向があるため、お金がなくなるという不安から焦りが生じやすくなるのです。
余裕がなくなると、早く転職先を見つけなければと転職活動を急いでしまいます。
その結果、転職活動に集中できず選考に落ちてしまったり、自分が納得いく条件でなくとも妥協して転職先を選んでしまうという失敗に陥りがちです。
退職後に転職活動を考えている人は、退職金も含め少なくとも3か月〜半年分の生活資金を貯蓄してから退職したほうがよいでしょう。
また、自己都合の退職であってもハローワークにて失業保険を受給することができます。
転職活動と並行してハローワークに通う必要がありますが、生活資金を確保するためにも失業保険の受給申請をおすすめします。
履歴書でブランク期間ができてしまう
退職後に転職活動をはじめると、履歴書にブランク期間ができてしまいます。
すぐに転職先が見つかればそれに越したことはありませんが、自分の転職の条件や求人のタイミングによっては長期戦になる可能性もあります。
もちろん、転職活動の進め方は人それぞれですので、ブランクがあることは悪いことではありません。
しかし、企業によっては履歴書にブランクがあることを好ましく思わない採用担当者が一定数います。
企業側は、ブランク期間に仕事の感覚が鈍っていることや、ブランク期間に何をしていたかを気にするため、その懸念を払拭する必要があります。
履歴書でブランク期間ができてしまいそうな場合は、面接官に仕事勘やスキルが鈍っていないことや、ブランク期間にしていたことを明確に説明できるようにしておきましょう。
退職後に転職活動をはじめるメリット
退職後に転職活動をはじめることは不利に働くのではないかと、一般的にネガティブな印象をもたれがちです。
しかし、退職後に転職活動をはじめることにもメリットはあります。
退職後に転職活動をはじめるメリットは、以下の3つがあげられます。
- 転職活動の日程調整がしやすくスピードが早い
- 転職活動に専念できる
- キャリアアップを狙った資格取得もできる
それぞれ解説いたします。
転職活動の日程調整がしやすくスピードが早い
退職後は、面接などの転職活動における日程調整がしやすくなります。
企業は、基本は業務中に採用活動を行っているため、面接の日程が平日の日中に指定されることも少なくありありません。
在職中に転職活動する場合は、平日に面接に行けないことも多く、日程調整が難航しやすいです。
要望に対し柔軟に対応できることは、企業側にとっても嬉しいポイントです。
スピーディーに転職活動を進められるため、その分早く転職できる可能性が高まります。
さらには、現職と退職交渉し、入社日を調整する必要もありません。
退職が済んでいれば、企業が指定する日程に合わせて働き始めることができます。
特に「急募」の場合であれば、企業は1日でも早く入社してほしいと思っているので重宝されるでしょう。
転職活動に専念できる
退職後は、転職活動に十分な時間を確保できるようになります。
時間にゆとりがあることは精神的にも大きく、余裕をもって転職活動に専念できます。
在職中は、これまでの仕事内容や今後のキャリアについて考える時間があまりとれないため、自身を振り返るよい機会ともいえるでしょう。
さらに、応募書類の作成や企業分析、面接対策といった準備に時間をかけることができます。
準備に時間をかけることにより、在職中の応募者よりも転職活動を優位に進められるため、ライバルに差をつけることが可能です。
入念な準備をした状態で応募できれば、その分採用の確率も高まるでしょう。
また、転職活動は複数の企業の選考を同時に受けることも多く、体力勝負の一面もあります。
体力的に余裕があることも、転職活動をしていくうえでは重要なポイントです。
キャリアアップを狙った資格取得もできる
退職後は、資格取得のための勉強に専念することができます。
在職中は業務が忙しく、勉強する時間を確保するのが難しいこともあるでしょう。
退職後であれば、資格取得のためにスクールや職業訓練に通うことも可能です。
また、資格は一定のスキルを持っていることが証明できるため、転職において有利に働くことがあります。
中途採用では即戦力が求められるので、専門性の高い資格やスキルが必要なケースも多いです。
資格によっては、応募できる求人の幅が広がったり、キャリアアップを狙った転職も十分期待できます。
注意点は、やみくもに資格を取得しようとしないことです。
企業や業種によって求められる資格やスキルはそれぞれ異なります。
自分が転職を希望する業界や職種において、どんなスキルが必要なのか、どんな人物を求めているのか、事前に精査したうえで、適切な資格を取得するようにしましょう。
退職後の転職活動は面接で悪印象?
退職後の転職活動によって採否が決まることはありません。
しかし、退職の理由や退職後の期間、過ごし方などによっては、面接官の印象が変わってくることもあるでしょう。
面接官は、退職後に転職活動する応募者に対し、
「転職先が決まる前に退職したのには何かしら事情があるのではないか」
「不採用が続いているから転職活動が長引いているのではないか」
「ブランク期間中に仕事に対する意欲が低下していないか」
こういった疑問をもっています。
企業としては採用にコストを払っているため、即戦力として稼働し、すぐに辞めない人を求めています。
そのため、面接官の疑問点や質問に対し、しっかりと受け答えできなければ悪い印象を与えてしまうでしょう。
面接で良い印象を与えるためには、退職後に就職活動することの理由やメリットを伝えることが大切です。
「スキルアップにつながる資格を取得したかった」
「転職活動に専念したかった」
「自分のキャリアを見つめ直す時間が欲しかった」
など、納得できる理由で面接官の抱える疑問を払拭できれば、悪い印象を与えることはありません。
転職活動で納得してもらいやすい離職期間の理由
離職期間がある場合、面接官は採用における懸念点を払拭すべく、
「離職期間があるのはどうしてか?」
「この期間中はどのように過ごしていたのか?」
このような、ブランクの事情を探る質問をしてきます。
質問に対しては、離職期間がある理由や背景を説明し、面接官に納得してもらうことが必要です。
では、面接官が納得してもらいやすい理由はあるのでしょうか?
納得してもらいやすい離職期間の理由としては、以下の2つがあげられます。
- 資格取得
- 語学勉強・留学
それぞれ解説いたします。
資格取得
資格取得は離職期間があっても転職活動で納得してもらいやすいです。
資格は取得のために、一定以上の時間を勉強に費やす必要があります。
そのため、企業側に「自己成長や学びに対して意欲的である」という印象を与えることができます。
さらに、その資格やスキルが企業の求めている人物像とマッチしていればなおよいです。
キャリアを見据えた選択と判断され、採用される可能性も高まるでしょう。
仮に資格をまだ取得していなくても、取得に向けて勉強中であることを伝えれば効果はあります。
勉強する意欲に加え、仕事に対する熱意を示せれば、ポジティブな印象を残せるでしょう。
語学勉強・留学
語学勉強や留学も離職期間があることに対して納得してもらいやすいでしょう。
語学勉強は資格取得と同様に、学びに対して意欲的である印象を与えることが可能です。
また、留学は日本と違う文化や慣習に触れることで、価値観や視野の広がりが期待できます。
留学は多くの人が経験しておらず、そこから得た学びや知見はよいアピールになるでしょう。
ただし、語学勉強や留学においては、それ自体が目的になってはいけません。
なぜ離職してまで語学勉強や留学をしようと思ったのか目的を整理し、その経験やスキルをどう仕事に活かすかを明確にすることが大切です。
まとめ
本記事では、退職後の転職活動について、以下の点を中心に解説いたしました。
- 退職後に転職活動をはじめるデメリット
- 退職後に転職活動をはじめるメリット
- 退職後の転職活動は面接で悪印象になるか
- 転職活動で納得してもらいやすい離職期間の理由
転職活動を退職の前後どちらにするかで採否に影響を及ぼすことはありませんが、退職後に転職活動する場合は、退職後を選んだ理由を明確にし、企業側を納得させることが必要です。
「今の会社が嫌だから」
「会社を辞めて少しゆっくりしたい」
などのネガティブな理由で退職を検討している場合は、採用が不利に働く可能性もありますので、退職前に転職活動したほうがよいでしょう。
どちらにもメリット、デメリットがありますので、両者を比較したうえで個人の事情にあわせ、納得いく転職活動の時期を選んでください。