社会人経験のある人なら、転職が頭をよぎることが一度はあるのではないでしょうか。
しかし、いざ転職を考えたときに、
「転職すべきか迷う」
「転職したほうがいいのか、しないほうがいいのか判断できない」
と決断に迷う人も多いでしょう。
転職はメリット、デメリットを踏まえて決断するリスクのある行為といえます。
迷いが払拭できないうちに漠然とした状態で転職してしまうと、
「こんなはずじゃなかった」
と後悔しかねません。
本記事では、転職すべきか迷ったときの判断基準として、以下の点を中心に解説いたします。
- 転職すべきか迷ったときに確認すること
- 転職しない方がいい人の特徴と理由
- それでも転職を考えたときに考慮すべきこと
転職すべきか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
転職すべきか迷ったときに確認すること
転職すべきか迷う人は、自分のなかに「転職したい」と思った理由が何かしらあるはずです。
まずは、その理由を明確にする必要があります。
転職すべきか迷ったときは、以下の2つを確認してみてください。
- 転職を考えたきっかけや理由はなにか
- 転職することをゴールにしていないか
それぞれ解説いたします。
転職を考えたきっかけや理由はなにか
転職すべきか迷ったときは、まず転職を考えたきっかけや理由を明らかにする必要があります。
以下の例を参考に、転職を考えたきっかけや理由を書き出してみましょう。
・給与や待遇面
・職場の人間関係
・ワークライフバランス
・キャリアアップ
・環境の変化
など
きっかけや理由を整理することで、自分にとって本当に転職が必要なのか見つめ直すことができます。
また、理由がはっきりすれば、転職の意思も固まります。
何を軸に転職すべきか、かなえたい条件も決まってくるでしょう。
逆に、きっかけや理由が漠然としたものであれば、理由が明確になるまでは転職しないほうが賢明です。
転職することをゴールにしていないか
次に、転職することそのものをゴールにしていないか考えてみましょう。
「今の状況から抜け出したい」
と、現状の不満のみで転職を決断してしまうのは危険です。
なぜなら、転職後の職場で同じような不満に直面したときに、また転職したくなるという「負のループ」に陥ってしまう可能性があるからです。
また、転職すること自体がゴールだった場合、転職できた時点で燃え尽きてしまい、勤労意欲が低下してしまうケースも考えられます。
もちろん、現状の不満を改善するために転職したいと思っている人も多いでしょう。
それでも転職する際には、「キャリアアップのため」などといったポジティブな側面に目を向け、転職それ自体をゴールにしないことがおすすめです。
転職しない方がいい人の特徴と理由
転職すべきか迷っている人は、以下の特徴にあてはまっていないか確認してみましょう。
もし、特徴にあてはまっている場合は、転職を検討し直したほうがよいかもしれません。
転職しないほうがいい人の特徴は、以下の5つです。
- 自分のキャリアや将来どうなりたいかが漠然としている人
- いまの仕事に飽きただけの人
- 転職理由を他人や会社のせいにしている他責傾向の人
- 仕事への見切りが早すぎる人
- 管理職やマネジメント経験がない人
理由をそれぞれ解説いたします。
自分のキャリアや将来どうなりたいかが漠然としている人
自分のキャリアや将来どうなりたいかが漠然としている人は、すぐに転職しないほうがいいでしょう。
将来のビジョンが曖昧なまま転職してしまうと、転職先での自分のキャリアが見えず、入社後にミスマッチを起こしてしまいます。
まずは自分のキャリアを棚卸し、将来どうなりたいかを具体的にイメージしましょう。
そのうえで、
「次の仕事が自分のキャリアにどのようにつながるのか」
「将来のビジョンに近づくことができるか」
このような視点で転職先を選ぶことが大切です。
いまの仕事に飽きただけの人
いまの仕事に飽きただけの人も、一度立ち止まって考え直したほうがよいです。
仕事にはルーティンワークがつきものです。
仕事内容自体に飽きが生じている場合は、転職先でも仕事に慣れてきた段階で飽きが生じ、また転職したくなる可能性が高まります。
いまの仕事に飽きている場合、
その理由が、
「ルーティン的に飽きている」のか?
「スキルアップが見込めずに飽きている」のか?
考えてみましょう。
ルーティン的な飽きであれば、まだまだスキルアップの余地はあります。
「業務で改善できるポイントはないか」
「プラスアルファの取り組みができないか」
このような視点でスキル向上のために行動してみることで、飽きが解消できるでしょう。
考えた結果、これ以上のスキルアップが見込めないのであれば、転職のタイミングです。
自分のキャリアアップのために必要なスキルを身につけられる転職先を探しましょう。
転職理由を他人や会社のせいにしている他責傾向の人
転職理由を他人や会社のせいにしている他責傾向の人は、転職すべきではありません。
そもそも、会社に勤めている人の大半は、今の会社を自分で選択しているはずです。
実際に会社に入ってみなければ職場環境はわかりませんが、現状の不満をすべて他人のせいにすることはよくありません。
他責傾向のマインドがある限り、転職先でも不満が生じた場合、同様に会社や他人のせいにしてしまうでしょう。
他責傾向にある人は、
「今の選択は自分に責任がある」
という自責のマインドに切り替えることをおすすめします。
現状の不満を作り出している原因は自分にあると考えることができれば、他責であるよりも不満の度合いは減少します。
さらに、不満解消に向けて取るべき行動も変わってくるでしょう。
仕事への見切りが早すぎる人
仕事への見切りが早すぎる人は、もう少し今のまま様子を見てみましょう。
勤務して数ヶ月の状況では、まだ仕事の全体像を把握できません。
自分がこの仕事に対し適性があるのか判断することも難しいでしょう。
さらに、短期での離職は、仕事への耐性がないと判断され、転職活動で不利になる可能性も出てきます。
仕事が定着するまでの期間は人によって異なりますが、半年間〜1年間くらいは仕事や職場に慣れる期間として見ておいたほうがよいでしょう。
また、一定期間働くことで、働きはじめに感じていた違和感が解消されるケースもあります。
自分が本当に仕事に対して適性があるのか、改めて判断できるようになるはずです。
管理職やマネジメント経験がない人
管理職やマネジメント経験がない人は、今の場所で経験を積んでおく必要があるかもしれません。
20代の若いうちであれば、管理職やマネジメントの経験がなくとも、熱意やポテンシャルで転職することが可能です。
しかし、20代の後半や30代に差し掛かると、採用において一定以上の役職経験や専門的なスキルを求められるようになります。
とくに、役職経験や専門的なスキルがない状態で転職しようとすると、採用条件に合致せず理想の転職ができない可能性があります。
入社後、数年経てば管理職やマネジメントを任せられる機会がやってくるでしょう。
管理職やマネジメントといった経験は、今後のキャリアアップにおいて必ずプラスに働きます。
まだ管理職やマネジメント業務に携わっていない場合は、一度キャリアを積んでおくことをおすすめします。
それでも転職を考えたときに考えておきたいこと
これまで、転職すべきか迷ったときに確認すること、転職しない方がいい人の特徴をお伝えしました。
上記を踏まえ、それでも転職したいと考えるときは、転職後に起こりうるリスクも考慮しておきましょう。
転職を考えたときに考慮すべきことは、以下の4つです。
- 年収ダウンや思っていた仕事でない可能性がある
- 転職後に後悔しても戻ることができない
- 新たな不満や悩みが生じる可能性がある
- 新しい環境に慣れるまでが大変
それぞれ解説いたします。
年収ダウンや思っていた仕事でない可能性がある
業界や職種が変わる場合、あるいは同じ業界でも会社の規模が小さくなる場合は年収ダウンの可能性があります。
とくに、未経験の業界や職種へ転職を考えている場合は、現職に比べて給与が下がる可能性が高いです。
転職を考えるきっかけや理由が給与に対する不満であれば、未経験の業種は避けたり、現職である程度のキャリアを積んでからにするなど、より慎重に転職先を選ぶ必要があります。
また、転職先で自分の思っていた仕事ができるとは限りません。
転職の場合は、ほとんどが即戦力採用のため、仕事内容がわかった状態で入社するのが一般的です。
しかし、会社の方針によって、ときには思っていたものとは違う仕事をしなければならなかったり、思い通りの仕事を任せられるまでに時間を要することもあるでしょう。
面接の段階で、仕事内容に関してある程度のイメージをすり合わせることはできますが、実際に入社したら思っていた仕事と違う可能性があることは理解しておきましょう。
転職後に後悔しても戻ることができない
転職後は後戻りができません。
いざ転職して外部を知ると、前の会社のよさに気づくというケースも少なくありません。
しかし、転職後に後悔しても戻ることはできないのです。
転職すれば、すべてが解決するわけではありません。
得るものもあれば失うものもあるのです。
転職を考える際は、
「転職によって得られるもの」
「転職によって失うもの」
この両方に目を向けることが大切です。
新たな不満や悩みが生じる可能性がある
転職で自分の希望をかなえたとしても、新たな不満や悩みが生じる可能性はあります。
「給与の不満は解消できたけど、人間関係がよくなかった」
「人間関係の不満は解消できたけど、仕事内容が思っていたものと違った」
など、これまで抱えていた問題とは別の不満や悩みが出てくることも考えられます。
会社は、人間関係や職場の環境、仕事の進め方など、複雑な要素が重なり合って構成されています。
転職の際は、さまざまな要素において不満や悩みが生じる可能性を想定しておくことが大切です。
新しい環境に慣れるまでが大変
転職すると、新しい環境に飛び込むことになります。
人間関係や会社のルール、業務内容など、すべてが変わるため環境に慣れるまでが大変です。
新しい環境に戸惑い、ストレスを感じる日々も多くなるでしょう。
新しい環境に対処するためには、
「新しい環境で苦労をしてまでも、転職でかなえたい目的があるか?」
自分に問いかけてみましょう。
自分のキャリアの目的が明確であれば、転職先で起こる苦労も乗り越えられるはずです。
まとめ
本記事では、転職すべきか迷ったときの判断基準として、以下の点を中心に解説いたしました。
- 転職すべきか迷ったときに確認すること
- 転職しない方がいい人の特徴と理由
- それでも転職を考えたときに考慮すべきこと
転職は不満の解消やキャリアアップといったメリットがある反面、新たな不満が生じたり後戻りができないといったデメリットもあります。
転職すべきか迷ったときの判断基準をお伝えいたしましたが、一人で判断が難しい場合は第三者に相談してみるのもよいでしょう。
親や友人、転職エージェントなどに話してみることによって、自分の考えが整理されたり、新たな気づきが得られることもあります。
転職を考えるときは、多角的な視点から検討し、迷いを払拭してから行動するようにしていきましょう。