転職を考えるにあたり、
「仕事を辞めたいけど、いつ辞めたらいいのだろう?」
「円満に退職したいけど、どのようにすればいいかわかわない」
このように、仕事を辞める方法がわからずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
仕事を辞める時期や方法にこれだという正解はありません。
しかし、仕事を辞めるのに適した時期や方法はあります。
適した時期や方法を知らずに会社を辞めてしまうと、金銭的なメリットが得られなかったり、円満に退職できない可能性があります。
そのため、会社を辞めるときには、適したタイミングと方法を意識して退職することが必要です。
本記事では、仕事を辞めることについて、以下の点を中心に解説いたします。
- 仕事を辞めるベストなタイミング
- 円満退職するためにできること
本記事を参考に、円満退職に向けた判断のポイントをつかんでください。
仕事を辞めるベストなタイミングは人によって違う
仕事を辞める時期に正解はなく、ベストなタイミングは人によって異なります。
人によっては、
「ボーナスをしっかりもらってから辞めたい」
「転職先が決まったら辞めたい」
「お世話になったので円満に退職したい」
など、個々の事情があるはずです。
仕事を辞める時期を検討する際は、一人ひとりの目的や状況にあわせてベストなタイミングを判断することが大切です。
ここでは、仕事を辞めるベストなタイミングを、以下3つ紹介いたします。
- 賞与をもらってから辞めたい人は賞与月を確認
- 今すぐの転職を焦っていない人は求人の多い時期を狙う
- 円満退職したい人は年度末や閑散期を狙う
それぞれ解説いたします。
賞与をもらってから辞めたい人は賞与月を確認
賞与がある給与体系で働いている人は、賞与をもらってから仕事を辞めるのが1つのタイミングです。
ボーナスは金銭的メリットが大きく、せっかくなら賞与をもらってから辞めたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
賞与をもらってから辞めたい人は、賞与月を確認しましょう。
多くの場合、6月頃、12月頃に賞与が支給されますので、それにあわせて退職日を設定いたします。
また、賞与をもらってから退職を検討する場合は、会社の「就業規則」を確認しておきましょう。
「支給日に在籍していること」
「支給日の数日〜数週間後に在籍していること」
など、支給条件は会社によって異なります。
支給した直後に退職しても問題ないか、事前に規則を見ておきましょう。
ただし、支給直後に退職日を設定するのは、あまり印象がよくありません。
場合によっては評価に影響し、もらえる賞与の金額が変動する可能性もあります。
支給後に退職を伝えるなど、賞与をしっかりもらうための工夫も大切です。
今すぐの転職を焦っていない人は求人の多い時期を狙う
転職を焦っていない人は、求人の多い時期を狙うのがおすすめです。
中途採用は通年で行われておりますが、月によって求人数にバラつきがあります。
そのため、求人数の多い時期を狙ったほうが、転職のチャンスは広がりやすいといえるでしょう。
求人は、期の変わり目にあわせて多くなる傾向があります。
とくに、年度初めの4月、半期の10月に向けて求人数は多くなります。
4月入社であれば2〜3月、10月入社であれば8〜9月に求人が出てきます。
キャリアチェンジであれば、新体制を築くタイミングである4月入社、キャリアアップであれば、即戦力補充の10月入社を狙うのがおすすめです。
内定が決まり転職の決断ができたら、4月入社であれば3月末、10月入社であれば9月末に退職日を設定しましょう。
この時期は賞与の支給も終わっており、印象が悪くなる心配もありません。
転職を焦っていない人は、求人が多くなるチャンスの時期を狙って転職活動しましょう。
円満退職したい人は年度末や閑散期を狙う
円満退職したい人は、年度末や閑散期を狙うのがおすすめです。
閑散期は、会社内でも体力的、精神的に余裕が生まれる時期です。
そのため、引き継ぎがスムーズに行え、悪い印象にもなりにくいでしょう。
辞めた人の業務もカバーでき、繁忙期に向けて体制の見直しや、新たに人材を募集することも可能です。
一方で、繁忙期の退職はメンバーに迷惑をかけてしまう可能性が高いため、避けたほうがよいでしょう。
繁忙期は退職者の対応に余裕が生まれにくいです。
退職願いを受け入れてもらえない、強い引き止めにあう、忙しくて引き継ぎどころではない、など円満とはほど遠い状況になってしまいます。
期末の時期や長期休暇と重なる時期など、企業や業界によって繁忙期は異なります。
在籍している会社の繁忙期を確認し、時期をずらして退職の意向を伝えましょう。
ただし、辞める時期が閑散期であっても、申告は転職が決まり次第、早めにすることが大切です。
円満に退職したいなら前もった行動を心がけましょう。
円満退職するためにできること
仕事を辞めるときは、お世話になった会社に対し、できる限り円満に退職したいところです。
円満退職できれば、以下のようなメリットが得られます。
・退職日まで良好な関係を保てる
・退職手続きをスムーズに行える
・悪いウワサが広まらない
・未練なく次のステージへ進める
など
体調を崩していたり、ブラック企業にいる場合など、やむを得ない状況を除いては、円満退職を心がけたほうがよいといえるでしょう。
円満退職するには、退職の伝え方や引き継ぎなど、事前の準備が重要になってきます。
そこで、ここからは円満退職するためにできることを、以下3つ紹介いたします。
- 転職活動にはゆとりを持って早めに動き出す
- 転職先が決まったら早めに退職意思を伝える
- 有給前にしっかりと引き継ぎをおこなう
それぞれ解説いたします。
転職活動にはゆとりを持って早めに動き出す
転職活動にはゆとりをもって早めに動き出しましょう。
転職には個人差があるものの、書類作成から応募、面接、内定、退職まで一連で3〜6か月程度かかるのが一般的です。
- 書類作成〜応募:1〜2か月
- 書類選考〜面接:1〜2か月
- 内定〜退職手続き:1か月
- 引き継ぎ〜有給消化:1〜2か月
ベストな時期に退職したいと考えたら、そこから逆算して退職日の3〜6か月前から転職活動することをおすすめします。
退職日を設定し、転職活動をはじめたとしても、選考がなかなか通過できなかったり、引き継ぎが長引くなど、設定通りに転職できるとは限りません。
転職活動が長期化することも考慮し、さらにゆとりをもたせたほうが安心です。
また、ゆとりをもって動き出すことで、書類作成や自己分析、企業の情報収集といった準備に十分な時間を確保することができます。
しっかりと準備した状態で転職活動に臨むことで、ほかの応募者と差をつけることも可能です。
競争に打ち勝ち、選考に通過する確率も高まるでしょう。
円満退職に向け、選考を優位に進めるためにも、転職活動は早めの動き出しが肝心です。
転職先が決まったら早めに退職意思を伝える
転職先が決まったら、早めに退職意思を伝えることも円満退職には必要です。
まずは、会社の就業規則を確認します。
就業規則に退職申し出の期日が設定されている場合は、その期日よりも前に退職意思を伝えましょう。
会社の規則を守ることは、円満退職にとって重要になります。
企業によって退職申し出の期日は異なりますが、引き継ぎや退職手続き、有給消化などを考慮すると、2〜3か月前に申し出るのが一般的です。
遅くとも、退職する1か月前には退職の意思を伝えるのがよいでしょう。
なお、法律上は2週間前の申し出でも退職することは可能です。
しかし、2週間前ではトラブルになりやすいだけでなく、職場の空気がよくないまま残りの日数を過ごさなくてはならなくなるため、おすすめできません。
2週間前の申し出は最終手段としてお使いください。
また、退職意思を伝えることは勇気のいる行為です。
なかなか退職話を切り出せずに、結局報告がギリギリになってしまうケースもあります。
就業規則にかかわらず、転職先が決まったら覚悟を決め、早めに伝えることを心がけましょう。
有給前にしっかりと引き継ぎをおこなう
有給が残っている場合は有給期間を考慮し、それより前にしっかりと引き継ぎを行いましょう。
引き継ぎがうまくできていないと、残っている職場の仲間に迷惑をかけてしまいます。
有給は労働者の権利ではあるものの、自分の都合だけを押し通して取得するのは好ましくありません。
迷惑をかけないためにも、引き継ぎはきちんと行うことが大切です。
・作業マニュアルを作成する
・後任者と引き継ぎの時間を確保する
・取引先に伝える
など
自分の業務を洗い出し、できる限りのことをしましょう。
マニュアル作成は時間がかかるため、転職しようと考えている頃から少しずつ作成しておくのもおすすめです。
引き継ぎが優先的であることは間違いありませんが、一方で有給が消化しきれないことも「円満に退職できた」とはいいにくいですよね。
転職が決まってから退職日まで期間が短く、有給が消化できないというケースはよくあります。
引き継ぎをしっかりと行い、有給をすべて消化できてこそ、真の円満退職が実現するものです。
「有給が退職日までに消化しきれなかった」ということがないように、計画的にスケジュールを立てましょう。
まとめ
本記事では、仕事を辞めることについて、以下の点を中心に解説いたしました。
- 仕事を辞めるベストなタイミング
- 円満退職するためにできること
仕事を辞めるタイミングは、個々の事情によって異なります。
目的や状況にあわせ、それぞれに適した時期を退職日に設定しましょう。
退職日が設定できたら、退職に向けてスケジュールを逆算し、計画的に転職活動を行うことが大切になります。
書類作成から退職まで転職の一連の流れに要する期間は、3〜6か月程度かかるのが一般的です。
転職活動はゆとりをもって早めに動き出しましょう。
また、会社に残る仲間たちに迷惑をかけないように、しっかりと引き継ぎを行い、自分が抜けても仕事が回るように段取りしておくことも必要です。
円満退職の秘訣は、計画的なスケジューリングがすべてといっても過言ではありません。
本記事の内容を参考に、全員が気持ちよく次のステージへ進めるよう万全に準備していきましょう。